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学長ブログ

発見の楽しさに目覚めた個性が輝く教室を

2016.10.24

 学生たちを待ち受けるもの

 人口減少、少子高齢化のなかで地方を支えていく若者には、従来と比較にならない多くの役割が期待される。技術とアイデアを活かした生産性の向上、人々の協力による課題の解決、そして貧困に押しつぶされない家庭づくり。そんな人生を乗り切る力をつけさせることが学校に問われている。薄っぺらな知識や情報はいくらでもネットで仕入れることができる。吹き荒れる情報に惑わされることなく、本質を考え、課題を考え、解決するアイデアを思考し、判断し、行動していく力を付けさせることが求められる。哲学から最先端の科学技術、社会理論、人間研究、思考法、コミュニケーションスキル、学ばなければならないことは山とある。

 今日、経済的に余裕のない学生も多い。6割の学生が日本学生支援機構の奨学金を受給している。また学生の7割がアルバイトをしており、しかも週16時間以上働く学生が2割おり、年々アルバイトの長時間化が進んでいる。その分、自宅学習や読書の時間は薄くなる。この学生達が地元を支える中核的人材として期待されるのである。就職して、同じ所に一生勤める者は少ない。様々な人生のドラマが待っている。結婚する3組に1組は離婚するという。宮崎県はワースト4位である。シングルマザーで稼ぎながら子育てを頑張ることになる者たちも少なくないだろう。学生自身の人生にも様々なリスク、課題が待ち受けている。

 こうした学生達を底支えできる教育を提供したい。

 

 受動的学習から能動的学習へ

 学習を「授業に出席して、講義を聴くこと、そして試験の時に講義内容を暗記して合格点をとること」だと考えている学生が少なくないように思う。一夜漬けで覚えた知識は、一ヶ月後にはどこかに吹き飛んでしまうニセモノの知識である。ホンモノの知識とは本人のものの見方に組み込まれた知識であり、組み込まれるためには、本人のこれまでのものの見方が訂正される「発見」「気づき」がなければならない。

 「発見」「気づき」は学生が受身で講義を聴いているだけでは生まれない。教師が授業内容に関して学生が分かっていない所を予想し、事例をあげ、発問し、考えさせ、気づかせる必要がある。「発見」「気づき」のある能動的学習は面白い。自分のものの見方が成長するのを実感できるからだ。学んだことは、自分の血となり肉となる知識であり、思考力となる。

学ぶとは覚えることでなく、「発見」「気づき」を得ることであり、自分の成長を実感できる楽しいものであることを授業の中で体感させたい。

 

 他律的学習から自律的学習へ

 「発見」「気づき」の面白さを知った学生は、自分の「発見」「気づき」を教室で発表するようになる。それを教師学生が共に楽しむようにすれば、追究は教室内にとどまらず、教室外での自分の「発見」「気づき」を披露し合うようになるだろう。学びの共同体が生まれる。他律的能動学習から自律的能動学習への道が開けてくる。

 目指す所は、生涯にわたって自律的・能動的学習者として成長し、様々なリスクを乗り越え、課題を解決し、他に貢献していく生き方ができることである。それが本学教育の使命であると思う。

 自分のことを述べれば、私は毎回授業の冒頭で、前時の授業テーマについて1分間自分の言葉で隣の学生に説明させている。軌道に乗るまで数週間かかったが、受講姿勢を受身から能動へ転換させる上で効果があったように思う。同時に質問をミニッツ・ペーパーの裏に書くように求めた所、回を追う毎に授業内容に対する応用的質問が爆発するようになった。授業外学習も「小さな芽」は見られる。自分の身になるホンモノの学習を追う学生が、発見の楽しさに目覚め、様々な個性を輝かせる教室を実現したい。 

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