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学長ブログ

時熟性(3週間のかべ)

2016.02.10

 人間の成長には時間の積み重ねに応じて伸びていく連続的なものと、ある時間変化を起こさず、突然階段を登るように変化が起きる非連続的なものがあることに注目したのは、ドイツの教育学者ボルノウであった。

 毎日漢字や単語を覚えていくのは前者の連続的成長である。やればやっただけの成果が出る。しかしそうはいかないのが技能の習得や人格の成長である。水泳、自転車、人前でしゃべること等、あるいは不登校の子が学校へ行き出す、たばこを禁煙する等。これらはある日突然できるようになっていることに気づく。

 突然ということに目を奪われると、「いつかできるようになる」と棚ぼたの幸運に期待するか、あるいは「自分には向いていない」と自分の素質のせいにして、努力に目を向けない。

 「セレンディピティ」という面白い言葉がある。思いもかけず幸運をつかむ能力である。いわゆるノーベル賞級の発見というは、まさにそれに当たるが、その発見の過程を辿れば何十年にも及ぶ実を結ばぬ不運の試みがあったことだろう。発明王エジソンは1つの成功の陰には999回の失敗があったと言う。一つ一つの失敗が、間違った選択肢を消して1000回目の成功を導いた。

  何かができるようになるためには、成果が出ない日々に耐え、精進する根気が必要である。外国語の習得には1000時間の学習が必要と言われる。三日坊主では芽も出ない。私は経験則から「3週間のかべ」というのを唱えている。新たな習慣を自分に付けさせるには、3週間それを毎日続けることだ。1週目は苦しい、2週目はもっと苦しい、でも3週目はあと少しで終わるから頑張れる。そして4週目には苦もなくそれがやれるようになっている。私は片道10キロの自転車通勤をこれで始めた。禁煙にも成功した。他にもあるが、学生時代「3週間のかべ」を乗り越えることから、新しい自分に挑戦して欲しい。

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